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【vol.16】次なる行動につながる内省のプロセス

4つのステップで、自分の思考が深まり、
行動が変わる「内省」。
「レポートをうまく作成することができた」
という事例を通して解説していきます。

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第4章 実際に書いてみよう
【内省を促す質問②】

今回は、内省文4つの要素
①詳しい事実 ②原因の分析
③本音の感情 ④次なる行動 のうち、

③本音の感情 ④次なる行動 
についてお伝えします。

③本音の感情
 「今、素直にどう感じている?」

本音の感情、これは、
「今、素直にどう感じているか」を
自分に対して書くんですね。

「できたこと」に関する気持ち、
もしくは原因を分析した後の、今の感情を,
"正直"に表現しましょう。

「7つの感情」で表してみよう

「感情」と言われても
うまく言葉にできないよ、
という方もいるかもしれません。

そんな時にガイドになるのが、
「7つの感情」です。
人間ですから、いろいろな感情があります。

喜び:うれしい、すばらしい、楽しい
安心:ほっとした、よかった、落ち着いた
信頼:誇らしい、よくやった、さすがだ
不安:恥ずかしい、心配だ、焦る
驚き:びっくりした、予想外だ、こわい
悲観:悲しい、悔しい、苦しい
怒り:イライラする、腹が立った、ひどい

この「7つの感情」をうまく使って、
表現するといいですね。

ポイントは、
自分の本当の感情を
「一歩引いたところから観察する」イメージで
表現することです。

前回紹介した
「レポートをうまく作成することができた」
という人は、
同僚から資料を紹介してもらってうまく書けた
と、原因の分析をしていました。

この人は、どのような感情を書いたのでしょうか。


レポートをうまく作成することができて、
ほっとしている(安心)
同僚からアドバイスをもらえてうれしい(喜び)
正直に言うと、
自分だけでレポートが作れるように
ならないとまずいかなと、ちょっと焦る(不安)


このような正直な気持ち、
これは何かというと
「ありのまま」の素直な自分です。

人に見せるものではないので、
盛ったり、隠したりする必要はありません。
自分の本当の気持ちを
正直に表現することが大事です。

人間ですから、
プラスの感情もあればマイナスの感情もあります。
このマイナスの感情「少し焦る」は、
レポートをもっとうまく作れるようになりたい
という前向きのチャレンジの気持ちですよね。

そういう時は、少し不安になって当然です。
焦った気持ちをそのまま文字にして
書けばいいのです。

ぜひ、「本音の感情」を書いてみてください。

④次なる行動
 「明日からどんな工夫をしてみる?」

いよいよ、ベストできたことを磨いていき、
最後、行動を変える、
行動を見出していくところになります。

「明日から具体的に実践すること」
を書くのですが、これ、
なかなか難しいかもしれません。

そんな時は、
このような問いをしてみてください。

「もっとこうすればよかったかな?」
「次はこんなやり方にしてみようかな?」
「ほかにもやることがないかな?」

ポイントは、
すぐできるような小さなこと簡単なことを
この問いで見つけることです。

例えば先程の
「レポートをうまく作成することができた」人の
原因の分析、本音の感情から探っていくと
こんな感じの「次なる行動」が
出てくるかと思います。


明日から少しずつ統計の勉強を始めよう

まずは通勤電車の中で参考書を読もう


これ いいですよね。

同僚から資料を貸してもらって
うまくレポートを作れたけれど、
一人でも作れるようになりたいから
自分でも勉強を始めよう。

通勤電車で参考書を読むことなら
明日からすぐにできそうですよね。

このように、小さなことでOKです。

「小さなことでOKです」と
何度も言っているのには、理由があります。

人の行動には、
「現状維持バイアス」というものが
あるんです。
これは、「同じことを常に続けてしまう」
というクセです。

通勤電車であれば
電車の中での行動を、全部同じにしてしまう。
昨日と今日、同じ行動をとってしまう
ということがあるんですよね。
前例踏襲も、そうかもしれませんね。

「現状維持バイアス」を破るためにも
確実に実践できるシンプルで小さい行動を
書くことが重要ということになります。

ぜひ、肩の力を抜いて、
シンプルな行動を編み出してみてください。

「内省の4つの要素」は順番も大事

さて、「内省の4つの要素」を
まとめてみましょう。

4つの要素は、取り組む順番も重要です。
①詳しい事実
②原因の分析
③本音の感情
④次なる行動 の順です。

三番目に「感情」があります。

「感情」が先に立つと、思考が停止する。
深い思考ができなくなることについては、
以前解説しました。

内省の4つの要素の順番では、
感情に触れる前に、
①詳しい事実
②原因の分析 で、
冷静に分析をしています。

でも、人間ですから、
行動の背中を押すのは
やっぱり感情なんですよね。

感情に触れるからこそ、行動できます。

なので、自分の素直な感情を書いて
その感情に向き合ってから
「次なる行動」を見出す。

この順番が、非常に重要になってきます。

「できたことノート」は
行動を変えるメソッドですので、
ぜひ、チャレンジしてみてください。