永谷研一/ネットマン社長ブログ
GIGAスクール最前線で見た光と影
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GIGAスクール最前線で見た光と影

永谷研一/ネットマン社長ブログ

私は毎週火曜日夜に30分のyoutubeライブ(facebookライブ同時配信)を行っています。2020/11/24「学校ICT化の最前線」 と題して、ネットマンが現場で見た学校ICTが進まない影や現場で見えた光について話したところ、数人の方から「神回!」といったメッセージが寄せられました。

そこで整理する意味でもnoteに書きたいと思います。記事というより箇条書きっぽくなってしまうことはお許しください。

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(動画で見たい方は、18分のダイジェストにしましたのでこちらをご覧ください)

ーー学校ICT化の最前線ーーー
1)前提
・2011年文部科学省が「教育の情報化ビジョン」で以下3つのICT活用で教育質向上を目指すと公表した。
 「情報活用能力の育成」「教科指導における情報通信技術の活用」「校務の情報化」
・第2期教育振興基本計画では「ICTの活用などによる協働型・双方向型授業の推進」が明示された。
・第3期教育振興基本計画では「ICT利活用のための基盤の整備」に重点が置かた。
・現在2020年の一人一台PC・タブレットを配る「GIGAスクール」につながっている。

2)この10年浸透せず。
・10年前、総務省「ICT絆プロジェクト」で学校ICTが一気に進んだ市町村があった
・そこでネットマンは、2011年佐賀県武雄市にCラーニングを導入した。
・その後武雄市は、全小学校11校の児童4000人に一人一台タブレット配布した。(当時の樋渡市長のWebページ:入学式の様子

・その後、5つの中学校も加わり16校の小中学校の全児童・生徒が一人一台となった。
・当時私も武雄に住み、教員研修等で支援させて頂いた。

2013年に学校教育関係の10分プレゼン大会の貴重な映像を見つけました。タイトル:[武雄市iPad利活用教育の成功の理由] https://www.youtube.com/watch?v=MScMSbm3g1k
Cラーニングは武雄市の全小中学校の学習支援システムとして2018年までご活用頂きました。武雄の先生方とは、子供たちの学びとはどうあるべきかと昼も夜もよく議論をしました。涙を流しながら朝まで語り合ったこともあります。心から感謝です。


・武雄市のニュースは全国区のマスコミで放送され学校ICT時代の幕開けを感じさせた。
・これで「世の中変わる」(全国の学校でICT活用が進む)と思った。
・ところが自主財源ということもあり一部の市町を除いてほとんどやらず政府もトーンダウンした。
・今年GIGAスクールやEdTech導入補助金など文部科学省と経済産業省が本気で推進。
・これが本当に「パンドラの箱」は開いたのか、かつての電子黒板のような配備だけってことになるのか。
タブレット配ることで精一杯のところが多い。配るところがお金が一番動くので経済学的にも。
・今のままだと危ない(=教育改革までいかない)

3)ICT支援員の問題
・教育情報化コーディネータという資格もある。
・問題は、ICT支援員にいまだに頼ろうとしている点。
・各町で今、タブレット配った後の支援員どうしようかと話している。
・ICT支援員は給料安い、仕事の継続性がないなど理不尽な扱いを受けている問題がある。これは解決すべき問題だ。
・しかしICT支援員のやっていることは、教員のスキルをあげればできること。
・資格試験問題の中に「教員から職員室のパソコンからプリンターが出ないと言われた時の対処法」がある。
・試験上の正答ではないが、この答えは「プリンター設定くらい自分でやる」でいい。
ICT支援員がやっていることで、「これは教員のスキルアップの範囲内だ」というものが多い。
・では教員がサボっていてICT支援員に仕事を振っているのかといったらそうではない。

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4)教員の環境の問題
・教員が手抜きをしているのではなく、教員が自由に自分のパソコンを使えないという問題がある。
・まずもって個人持ちのパソコン持ってこれないし、セキュリティーとかいって繋げれれない。
・wifiの設定を外部業者に握られている。
・動く教材があるが、遅いwindowsパソコンでしか動かない。
・電子黒板で動く教材だから使わないければならないと言う。まるで教科書会社の回し者になっている。
制度的にもルール的にも「教員が自由闊達にITを使える環境にない」ことが一番の問題。
・教員の生きる力を奪う構造がある。

5)新任教員の話
・オンライン授業をやろうと管理職に言ったら却下された。
・結局やったのはホームページに運動動画を貼っただけ。
・「つぶされずにがんばって時代が変わるのを待とう」ってメッセージしたら「永谷さんの言葉に救われます。まだ教員辞めずにがんばります」と返ってきた。

6)突破した学校の話
・本気になった先生の「学び力」は半端でない。みるみるうちにスキルをつける。
・教員にはもともと授業デザインが素晴らしい人が多い。
・そこにITを付加することでもっと学びを深める授業をする。
・永谷のインタビュー記事が静岡新聞に
「ICT教育は決して黒船ではなく課題を解決するノアの箱舟になり得るはずだ」と掲載されたら教員から「ありがとう。勇気になりました」とメッセージがたくさん来た。
・まさに、黒船=恐れるものではなく、新しい時代を作る=ノアの箱舟だ。
・もともと授業力のある先生やがんばっている先生にITは鬼に金棒となる。
・実際「やっとやりたことができる」と言っている教員もいる。
・教員はもともと子供たちに「学ばせることを得意としている」ので学び力の底力はすごい。
・火がつけばあっという間にキャッチアップする。
・管理職の覚悟だけが問題。
・セキュリティとか古いパソコンの問題を解決して校務に活用するといい。
・脱ハンコで保護者連絡がデジタル化されるのは朗報。

7)文部科学省の脱ハンコ保護者連絡デジタル化の案内の問題
「googleフォームとmicrosoft Teamsを代表的なフォームのソフトです」との案内にびっくり。国策はどこに。
・フォームだけだとアンケート業務うまくいかない。アンケート回収したあとの管理が大事。未読催促、集計、共有、集計結果公開非公開の細かい設定などなど。このあたりのアンケートマネジメントが大事。
・QRコード印刷したものを配ると「なりすまし」の温床になる。
・霞ヶ関はシンクタンク。もっと現場に詳しい人からの情報がほしい。
・欠席連絡も連絡するだけではなく、そのあとの先生とのコミュニケーションまで考える仕組みが大事。
現場に入ってしっかりやっている日本の会社がたくさんあり、きめ細かいソリューションをやってきている。
・案内にせめて日本の会社も何社か入れておいてもよかったのではないか。
・もちろんグローバルソフトを無視するという意味ではない。シングルサインオンなどで連携すればいい。

8)ネットマンの決意
ネットマンはこれからも目の前の学校に対して誠実に仕事をするだけ。来月はある学校の保護者説明会に行ってくる。
・光も見えてきているのでこの光が繋がれば学校ICTも変われる。
・見たこと聞いたことをしっかり伝えていくことをやらねば。
・ネットマンは幸いにして会社が大きくないので、少し汚れても正しいと思うことは言っていく。

8)今日の格言(ASUYARU)
・「学校ICTの未来は明るい。黒船ではなくノアの方舟」
・しなやかに子供たちにICT環境を提供していくってこと。
・バッテリー使いすぎたり、ギガ使いすぎて通信スローになって咎めず好きに持って帰って好きに使えでいい。万が一ゲームをやったとしても。
「しなやかにITを子供達が使う。その前に先生自身が道具として使いこなす。」

以上です。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。


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永谷研一/ネットマン社長ブログ
株式会社ネットマンの社長ブログです。発明家、行動科学専門家として教育改革に寄与しようと日々奮闘しています。ここでは教育クラウドの導入現場の話や、教育ICTの開発秘話、キャリア教育実践の話、また著書「できたことノート」メソッド解説など私目線で感じたことを上げていきます。