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【vol.23】目標達成に近づくための内省文の書き方

内省文の4つの要素 のうち
①詳細な事実 ②原因の分析 が
十分に書けていないケースについて解説します。



第5章 さらにバージョンアップするために

目標達成のための
「できたことノート」活用法②


詳細な事実を書き、なぜできたのか分析しよう

<「経験から学ぶ力」がまだ十分でない人の対処法 1 >

ここからは、
内省文の4つの要素のうち、
①詳しい事実 ②原因の分析
が十分にできていないケースについて
解説します。

【パターン①詳細なし型
 「面倒くさがり屋」タイプ】

「詳しい事実」の記述が不十分なので
思考が浅くなってしまうタイプです。

例えば
①詳しい事実
英単語を10個覚えることができた

②原因の分析
ドリルを一生懸命やったから

③本音の感情
うれしい

④次なる行動
今週もがんばる

これ、どうでしょうか。
少し浅い内省かなと感じられると思います。

まず着目すべきは
「英単語を10個、覚えることができた」。
これは、すごくがんばって
英単語を覚えることができたという
素晴らしい経験なのですけれど、
詳しく書かれていないので
「貴重な経験からうまく学び取れていない」
ということになってしまいます。

「できたことノート」は
経験から学ぶ力をつけていく
メソッドですから、
スタートの「詳しい事実」を
詳しく書くことが、
すごく大事なんですね。

でも、安心してください。
改善ポイントを解説します。

ポイント「過去を思い出して書く」

4W1Hを利用して、詳しく書いてください。
(いつ、どこで、誰と、何を、どのように)

英単語を10個、覚えることができた

「何を」はありますが、
「どういう状況で」はありませんし、
「どうやって覚えたか」もありませんね。

たとえば、
「ドリルを使って10個覚えることができた」
だったら、少し詳しくなりませんか。

「2時間勉強して覚えることができた」
もっと詳しくなりますよね。

ぜひ、この4W1Hで詳しく書く技術を、
もう一回おさらいしてみてください。

「どのぐらい詳しく書けばいいですか?」
と聞かれるんですけれども、
他の人がその文章を読んだときに、
どういうことをやったのか映像が浮かぶ、
イメージが浮かぶくらい

詳しく書くといいです。

「英単語を10個覚えることができた」
よりも、

「先週の水曜日6時から8時の2時間、
 勉強部屋で、自分で、
 パソコン上のドリルを使って、
 英単語を10個覚えることができた」

と書いたら、
もうその人が何をしているか
イメージが浮かびますよね。

それぐらい詳しく書くことが
いいということになります。
ぜひ、やってみてください。


【パターン②分析なし型
 「ガッツ空回り」タイプ】

「ガッツ」って
気負いもありますから、
失速しやすいんですよね。

「原因の分析」の記述がないと
視野が狭いままになってしまいます。

事例を見てみましょう。
営業の仕事をしているかたの内省文です。

*******************************

①詳細な事実
水曜日午後、
商品を初めて販売することができた。

②原因の分析
(未記入)

③本音の感情
最初は不安でドキドキしたが、
うまくいってよかった。
最高の気分

④次なる行動
これからもガンガン、アポを取って、
商談の数を増やす。

*****************************

一見良さそうですよね。
やる気があって前向きだし
いいぞ!と思いますけれども、
「新しい行動を見出す」
という点においては
少し短絡的な思考に
なっているんですよね。

実はこれ、
思考が飛んでしまっています。

「販売することができた」
という詳細な事実から、
このかたは結論を見てしまっているんですよね。
いきなりドーンと飛んでいる感じです。

「ガンガン、アポを取って、
 商談の数を増やす」

いきなり「次なる行動」に行っています。
思考が深まらずに
飛んでいるといえるんですね。

考える前に
結論が出ちゃっている感じです。

覚えていますか。
原因の分析に関しては、
「なぜ?」と深く考える。

もしくは
「そもそも?」と
クリティカル・シンキング
目的思考で、
創造的な新しい行動を見出す
という方法もありました。

実は、この分析が弱いと
短絡的になってしまいますし、
がんばるんだ!のように
精神論になってしまいがちです。

そうすると残念ながら
失速するときもあるんですよね。

「原因の分析」のポイントです。
何をどう分析すればいいのでしょうか。


ポイント「なぜできたのか」
できた理由を考えましょう。

そうすると、
いろいろなアイディアが湧いてきます。
新たな視点を
発見することになりますよね。

先程の例に戻りましょう。
「なぜ初めて
 販売することができたのか」

考えてみたら、
資料が良かったかもしれない。
営業の資料の説明が、
上手だったかもしれない。
資料を改良すれば、
もっとうまくいくぞ。
じゃあ改良しよう。
ということに
なったかもしれません。

もしかしたら、
商談の時に、
お客様が「別の商品を検討した」と
言っていたのであれば、
競合商品を調べる必要がありますね。

全然行動が変わってくるかと思います。

もちろん、
「やる気」を否定しているわけでは
ありませんよ。

でも、思考して、
目標達成のために新しい行動を見出す。
このことにおいては、
短絡的すぎるということです。

「原因の分析」をしっかりやると
目標達成のための
新しい行動が見出せる。

これを覚えておいてください。