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【vol.18】多様性の時代を生き抜く思考法「クリティカルシンキング」をするための問い


「できたことノート」第4章より 
Nさんが内省によって成長した軌跡を、
皆さんと一緒に見ていきたいと思います。

第4章 実際に書いてみよう⑤
行動が変わる思考法「クリティカルシンキング」


まず、おさらいをしておきましょう。

4つの要素で考える思考法をやりましたね。
①詳細な事実 ②原因の分析
③本音の感情 ④次なる行動

「なぜ?」を繰り返すことや
感情に触れることで、新たな行動に気づく
ということをやりました。

「なぜうまくいったんだろう?」
という原因の分析で、
Nさんの事例も説明しました。
仕事で商品説明が上手くできた
というところから始まって、
明るい色の服がよかったんだということで、
服を買いに行くという
行動変容を見出していました。

まさにこれは、
「一点集中型の深堀り思考」
一つの視点でぐっと深掘りしていって
新しい行動に気づくという思考法でした。

<クリティカル・シンキング>

今回は新しい思考法、
「クリティカル・シンキング」を解説します。

これは、「行動改革をもたらす思考法」
と言われているんですね。
「新しい行動を見出す」を超えて
「行動改革、創造的な行動が見出されてしまう」
こういう思考法です。

日本語では「批判的思考法」と訳され、
本もたくさん出ています。

「批判的」という言葉が、
否定・非難という風に間違って捉えられることが
多いのですが、そうではなくて、
「建設的に疑う」というイメージなんですね。

さらに、「複眼的な思考」
様々な目線、幅広い視野で見る思考法でもあり、
いろいろな視点、違った立場で見る目も
養われていきます。

これは、これからの時代、
多様な価値観があるこの時代に必要な
「自分で考え、気づく力を養成することができる」
ということになりますね。

自分を客観的に見る力
「メタ認知能力」にもつながります。

現実の自分を捉え俯瞰的に見て、
観察をしながら自分の行動をコントロールしていく。
まさに、
「自分の経験を客観的に捉え
 次に活かすことができる力」と言えるでしょう。
経験学習、経験から学ぶ力でもあると思います。

<クリティカル・シンキングをするための質問>

さて、どうすればクリティカル・シンキングができるのでしょうか。

まず一つの大きなきっかけの問いがあります

「果たして本当に『できた』と言えるのか?」

これは、「究極」の質問です。

だって、できたことをいったん疑うのですから。
これで十分だろうか、
果たしてこれでよかったんだろうか
と疑うわけですから、
「究極」の質問ということになります。

「できたこと」を疑う。
これは否定ではありませんよ。

「本当にこれでよかったんだろうか」
「本当にこれで十分だったんだろうか」
と建設的に疑うことによって
新発見につながる可能性がある問いかけです。

<「できたこと」をあえて疑ってみる効果>

「できたこと」をあえて疑ってみる効果
は非常に大きいものです。

例えば、
「できなかったこと」は、
単純にできなかったことです。

でも、「できたこと」に関しては
疑ってみれば「できたとはいえない」
と考えられる可能性も出てきます。

まさに、複眼思考ですよね。
視点の大転換を促し、
新たな発見が潜んでいます。
自分が思いもつかなかった発見に、
ハッとすることも多いかと思います。

冒頭で紹介したNさん、
仕事で商品説明が上手くできた
明るい色の服がよかったんだなということで、
服を買いに行こうという行動変容を
見出していました。

しかし、
「果たして本当にできたといえるのか?」
という問いかけに対して、
次のように考えました。

商談をうまくまとめなくては、
商品をしっかり販売できなくてはいけない、
これを忘れていた。
商談の中身はよかった。
でも結果はどうだったんだろうか。

本来の目的は、「受注に結び付ける」だとすると
服の色はもちろんOK、素敵な服を買うのも
いいですけれども、
さらにもう一つ、
「商品説明の練習をしよう」というような
新しい行動が見出される可能性もありますよね。

新しい自分の「気づき」を与えてくれるのが
クリティカルシンキングです

ぜひ新しい行動改革をもたらすような思考法に
チャレンジしてみてください。