GIGAスクール構想2年。教員が得たICT市民権で生まれたこと
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GIGAスクール構想2年。教員が得たICT市民権で生まれたこと

永谷研一/ネットマン社長ブログ

小中学校でGIGAスクール構想がはじまって2年が終了しようとしています。この2年はコロナ禍もありものすごいスピードで展開しました。

児童・生徒に1人1台のタブレットやPCを配布する施策は、当初3年間でゆっくり入れていく予定だったのが、コロナ禍で1年で一気にいれることになりました。2020年度は配備だけで終わった自治体も多くありました。実際の「ICT活用」は、2021年度が初年度だった学校も多いと思います。

GIGAスクール構想の3大施策は

・1人1台の端末整備
・高速のネットワーク環境
・校務や学習支援クラウドサービス

です。
もちろん単に機器の整備やクラウド導入が目的ではなく、

・教員の働き方改革
・授業の充実
・外部との連携

など学校改革の実現が目指されるものとなります。

私がこの2年のGIGAスクールの「成果」を1つ上げるとしたら

「教員のPCスキルが格段に上がったこと」

と考えます。


児童・生徒に1人1台の端末が整備されたと同時に、教員にも1人1台タブレットやPC(iPadやChromebookなど)端末が配られた自治体も多くあります。1年で慌てて一気に配ったものですから、とくに制限されるものものなく、いわゆるネットに繋がる普通のPCが配備されました。
 
これがとても良い結果を生みました。

もしこれが予定通り3年でゆっくり入れていたら、学校総務課などの導入部門ががんばってしまって、セキュリティーという言葉に翻弄される中で、使い勝手の悪いガチガチな校務パソコンになってしまっていたと考えられます。

今回一気に入ったのでガチガチのルールを作る暇もなくPCが配られました。

それを手にした先生は自由闊達!に使えることになりました。自分でzoomなどのアプリを入れたり、Chromeのブラウザを入れたり、メールを受信したり。

普通のビジネスパーソンなら当たり前の「自分の仕事のための道具づくり」を教員もすることができたのです。
 
すると一気にスキルは上がることになります。当たり前ですが道具は自分で使い倒さければモノになりません。あれしちゃだめこれしちゃだめって言われたら思い切って使えないですものね。

この「自由なPC」のおかげで、教員はIT市民権を得ることできたと言えます。

若い先生なら今までも自分のパソコンやポケットWiFiを持ち込んで使ってきたと思います。でもこれは教員の世界ではなかなか大変なことで、いろいろ不自由だったと思います。
それが大手を振ってPCを使えるようになったのですから最高の環境です。

誤解があるといけませんので説明しておくと、個人情報等やセキュリティーの大切さはクラウドサービスを20年以上行っている企業の社長として誰よりも深くわかっていますし、技術も知り尽くしています。ネットマンは、運用も安心・安全を最重要としてサービスをしているからこそ国立大学や金融機関のシステムも運営できていることを追記しておきます。

残念ながら、当初はITスキルが低い教員(とくに管理職)が多かったのが現実でした。今まで好きに使う環境がなかったのですからPCが得意でないのは当たり前ですね。
ところがこの2年はものすごい勢いでスキルアップしている教員の姿があります。

先生方は、非効率な業務もまだまだ残っている中で時間を作ってICTの勉強をして本当に努力をされています。

私たちは学校ICTを活用しようとされている先生方を支援する仕事を毎日行なっていますがそれを実感する日々です。
GIGAスクールが始まったばかりの2年前は大変でした。

パソコン相談)
 「デジタルカメラでとった動画をどうやってパソコンに取り込んだらいい?」と聞かれ、繋げ方を教えつつ「最近はスマホで撮った方が便利ですよ」とBlueToothの使い方と伝えました。その他「WordファイルをPDFファイルにするにはどうしたらいい?」というのもありました。

電話大好き) 
 管理者のログインIDを発行したメールを送ると、すぐ電話が掛かってきて「先生はどうやってログインするのですか?」とのこと。
丁寧なガイドやマニュアルがあるので、「このガイド通りに行ってください」と説明しました。

エラー恐怖)
 「エラーが出た。どうしたらいい?」と聞かれてよく聞くと、古いIE(Internet Explorer)を使っていて、ただのメッセージ画面でした。新しいブラウザをインストール方法を説明しました。
また「触っても壊れませんのでどんどん使ってください」とも伝えました。

Googleマウント)
 「うちはGoogleを使っているから大丈夫」とドヤ顔でいう先生。情報担当の先生も「Gドライブでファイルを共有している」と自信満々。でもよく聞いてみると、ほとんどの先生が使っておらず、また保護者や生徒へのお知らせも大量の「紙」を印刷してる状態でした。


このような教員サポート対応の毎日でした。あるときはパソコン教室、あるときは家電量販店、あるときは組織カウンセリング、あるときは社会人基礎力を教える先輩という感じです。

それが、たった1年!で大きく様変わりするのです。PCやLMSを道具として使い倒すことはもちろん

「保護者へのお知らせや健康観察をIT化したら家庭と信頼関係が高まった」

「隙間時間でドリルを活用したら国家試験合格者が続出した」

「教員間の連絡がスムースになり連絡漏れがなくなった」

「働き方改革が進み職員室が明かるくなった」

といった喜びの声のレポートが次から次へと上がってきています。
まさに教育DX、学校DXは目的はX(トランスフォーメーション)にありD(デジタル)は単なる手段。これを熟知しているのが教員という方々です。そして今、一気に「業務改革」の成果が生まれてきています。

たった2年でここまでの変化です。また来年度に向けた構想として

「読書カードもIT化すれば保護者も楽になるね」

「今度の役員決めはスマホで投票してもらおう」

「生徒にどんな学校にしたいのかアンケート取ろう」

「PTA総会はオンラインでできるのではないか」

「英語のシャドーイングは音声レポートにしよう」

などなど。出るわ出るわ、先生からの学校ICT活用のアイデア。もうそれは「飛ぶ鳥を落とす勢い」とう様相です。2年前、こんな状況が来るなんて誰が想像したでしょうか。

ほんと、教員という人たちの学び合う力、なんとかしようというパワーは半端ないものです。

GIGAスクール×コロナ禍によって生まれたこと。それは

「教員のICTマインドセットのパラダイム転換」

です。

これからも学校や教育改革は進むでしょう。私はもうこの勢いは止まらないと思います。脱皮した教員は怖いものなしだと思います。

これからが本当に楽しみです。ネットマンも引き続き全力で先生を支援します。


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永谷研一/ネットマン社長ブログ
株式会社ネットマンの社長ブログです。発明家、行動科学専門家として教育改革に寄与しようと日々奮闘しています。ここでは教育クラウドの導入現場の話や、教育ICTの開発秘話、キャリア教育実践の話、また著書「できたことノート」メソッド解説など私目線で感じたことを上げていきます。