秀岳館サッカー部「暴行動画」に見る、部活の指導者がつけるべき技術とは
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秀岳館サッカー部「暴行動画」に見る、部活の指導者がつけるべき技術とは

永谷研一/ネットマン社長ブログ

秀岳館サッカー部の暴行事件がニュースになっています。
男子サッカー部のコーチが部員の生徒を殴る、蹴るという暴行の様子の動画がアップされた。投稿の生徒がコメントしたように本当に「あんまり」だ。

その後、公式ツイッターに生徒が事の経緯を説明する動画が投稿された

「コーチを馬鹿にするような発言をしたのが今回の原因です」

と、生徒だけが謝罪するものになっており、暴力をふるった大人はどうしたんだ?と批判が起きています。しかもその謝罪動画の制作に監督が関与していたというのだから、開いた口がふさがりません。

このニュースを聞いて、旧態依然とした体育会系に腹を立てた人も多いのではないでしょうか。私も、自分を正当化しようとする大人たちの醜態に、本当に「胸くそ悪い」と感じた一人です。「昭和か!」っと突っ込みたくなりました。

実は、私も高校時代にサッカー部に所属していましたが、監督の理不尽さに絶望を感じていました。中学までの実績でレギュラーを固定化し、高校からサッカーを始めた私のような「生意気な生徒」は上っ面でレッテルを貼られていました。
今回の事件を聞いて、あの頃の「いやー」な感情が湧き上がってきています。

監督は(本人がどう思っているかは別として)権力者です。生徒は従うしかないとう文化があります。
今回、監督が謝罪動画を公式ツイッターに生徒に上げさせたことが強烈に「やばさ」を感じます。当初監督は「部員が主体的に謝罪した」といい、実は監督の立ち合いの元に撮影されたというのは、権力者が使う手で、生徒たちの心情を察すると、許し硬い面があります。

最近読んだ本に、村中直人さん著書の「〈叱る依存〉がとまらない

があります。

村中さんはこの本の中で、

”叱る”には依存性があり、エスカレートする

として「叱る」という行為の本質を科学の知見で、社会で起きている出来事を解説し、児童虐待、体罰、DV、パワハラなどに対して警鐘を鳴らしています。

叱るアプローチがやめられない人は、どうやら脳の「報酬系回路」で、叱る依存に陥ってしまい、
「この人になんとかわからせなければいけない」
「このまま放置したらこの子のためにならない」
と誤った思い込み
をしているとのこと。でもそれは、

「叱る以外の方法を学んでこなかった」だけであり、「叱らずに済む方法はある。それは非難より支援である」といいます。

そして「”叱る”は意味がない」と述べています。さらに「指導者、教育者、管理職には、叱るに依存しない、目標達成を促すためのスキルと知識が必要だ」と言い切っています。

全く私も同感です。

とくに学校で指導的立場にある教員は、ポジティブアプローチ、主体性発揮のアプローチにおける「目標達成の技術」を学び、日々の指導で活かす必要があります。学業はもちろん学級経営や部活など様々な場面で使うスキルです。

私が秀岳館サッカー部の監督にいいたいことは、ずばり!

あなたの指導法の考え方は古い!さらに指導者の技術として未熟である。
直ちにゼロから勉強し直し「アップデート」するべきである。

ということです。

人はみな、脳の特性として「できなかったこと」「欠けていること」「ダメだったこと」「失敗したこと」に注目してしまう傾向があります。
視点を変えれば「できたこと」がたくさんあるにも関わらず、ダメな方を正そう、律っしようとするのです。
これでは自己肯定感はダダ下がり。行動変容やチャレンジ行動が起きるはずがありません。一時的に効果があったとしても本質的に変わっていないので目標達成の前に行動が止まり頓挫します。
(これは15000人のデータ分析からわかったことです。科学的な事実なのです)

目標達成の技術として以下のような技術が有効です。

・単なる願いでなく、揺るぎのない目標を立てる技術
・最適な行動を見出し、行動変容を続ける技術
・できたことから自己肯定感を上げる技術
・マイナスの気持ちも含めて感情をコントロールする技術
・経験を振り返り、目的思考から創造的な行動を見出す技術
・人と学び合う技術を使って、チームを相互成長関係にする技術
・他人軸から自分軸に転換して、「ありたい姿」を獲得する技術

生徒一人一人のそれぞれ特徴ある”ありたい姿”を尊重しながら、目標達成するために主体的な行動を見出していくような、「学び・成長しあう部活」に変貌できると思います。

今回の秀岳館サッカー部の事件はとても残念なことでしたが、これをきっかけとして、旧態依然とした体育会系の指導をしているすべての部活の指導者、指導教員が目を覚まし、これから時代にあった指導法に転換することを期待します。

P.S.
私が著書「できたことノート」や「科学的にラクして達成する技術」を人の成長・育成の技術として学校のキャリア教育や企業の新人教育で推進している理由はここにあります。この自己肯定感と行動変容の技術は、このnoteのマガジンを作って発信していますのでご興味があったらマガジンもフォローしてもらえたらと思います。



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永谷研一/ネットマン社長ブログ
株式会社ネットマンの社長ブログです。発明家、行動科学専門家として教育改革に寄与しようと日々奮闘しています。ここでは教育クラウドの導入現場の話や、教育ICTの開発秘話、キャリア教育実践の話、また著書「できたことノート」メソッド解説など私目線で感じたことを上げていきます。